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カリキュラム・コンテンツ設計

カリキュラム・コンテンツ設計

スモールステップ原理を活用した効果的なコース・授業設計のポイント

2026/9/9 07:39

読了

6

著者:

中澤怜士

  • 教育DX

  • スモールステップ原理

この記事の結論

スモールステップ原理とは、目標とする学習内容を細かく分解し、段階的に進めさせる指導手法です。小さな成功体験を積み重ねることで受講者の挫折を防ぎ、オンライン学習における「長尺コンテンツによる集中力低下」「疑問の放置」「達成感の不足」といった課題を解決します。

▼ 目次

スモールステップ原理とは?教育・研修で注目される理由

スモールステップ原理の概念を表す、階段を1ステップずつ上りながら目標に向かって前進するビジネスパーソンのイラスト

スモールステップ原理とは、目標とする学習内容を一度に教えるのではなく、細かく分解したステップ(階段)を設定し、段階的に学習を進めさせる指導手法です。

1つのステップを小さく設定することで、受講者は「できた」「理解できた」という小さな成功体験を短時間で積み重ねることができます。これにより、学習に対するハードルが下がり、モチベーションを維持したまま難易度の高い学習内容へスムーズに移行できるのが最大のメリットです。

近年、企業研修や大学授業、資格スクールなどのオンライン化が進む中で、このスモールステップ原理を取り入れたカリキュラム設計が極めて重要な意味を持つようになってきています。


オンライン学習で陥りがちな「途中で挫折する」原因

集合研修や対面授業と異なり、オンライン学習や動画視聴を中心とした学習環境では、受講者が途中で挫折してしまうケースが少なくありません。これには明確な理由があります。

1. 1回のコンテンツが長すぎる

60分〜90分といった長い講義動画をそのまま配信してしまうと、集中力が持続せず、途中で離脱の原因になります。「どこまで理解できたか」の区切りが見えにくいことも心理的負担となります。

2. 「わからない」が放置される

疑問点が解消されないまま次のテーマに進んでしまうと、苦手意識が膨らみ、最終的に受講を諦めてしまう傾向があります。

3. 進捗感や達成感を得にくい

自分が全体の中でどこまで進んだのか、しっかりと理解できているのかという手応えがないと、継続する意欲が低下してしまいます。

これらの課題を解決する鍵こそが、学習プロセスを細分化するスモールステップ原理です。

スモールステップ原理を取り入れた授業・コース設計の3ステップ

では、実際の講座や授業において、どのようにスモールステップ原理を組み込めばよいのでしょうか。具体的な3つのステップで解説します。

ステップ1:大きな学習目標を「細分化」する

まずは、1つのコースや講義で伝えたい大目標を、1つのテーマあたり5〜10分程度で完結する小さな単位に分解します。たとえば、「マーケティング基礎」という大枠であれば、以下のようにブレイクダウンします。

  • 3C分析の概要と目的(5分)

  • 3C分析の具体例と実践(8分)

  • SWOT分析への展開(7分)

このように細かく分けることで、受講者は隙間時間でも学習を進めやすくなります。

ステップ2:レクチャー直後に「即時アウトプット」を入れる

インプット(動画視聴や資料閲覧)を行ったら、すぐに簡単な確認テストやアンケートを配置します。インプットから時間を置かずにアウトプットさせることで、記憶の定着率が大幅に向上します。

ステップ3:受講順序を制御し、段階的な合格を条件にする

知識の前提となる基礎コンテンツを完了しないと、次の発展コンテンツに進めないような「前提条件(順序制御)」を設定します。受講者が自分のペースで着実にハードルをクリアしていく設計をつくることがポイントです。

ステップ

設計のポイント

具体的なアクション例

LMS(システム)での設定例

Step1: 細分化

1テーマ5〜10分程度に分解する

長尺動画をテーマごとに切り出し、隙間時間で学べるようにする

チャプター機能・ショート動画の配置

Step2: 即時アウトプット

学んだ直後に理解度を確かめる

レクチャー直後に3〜4問の小テストや振り返りアンケートを入れる

自動採点機能付きミニテストの配置

Step3: 段階的な合格条件

確実に理解してから次へ進ませる

基礎をクリアしないと発展へ進めない仕組み(順序制御)を作る

前提条件(テスト○点以上で解放)の設定

テストとデータを活用した学習定着の仕組みづくり

スモールステップを機能させるためには、単に動画を短く切るだけでなく、受講者の進捗や理解度を定量的に把握する仕組みが欠かせません。

・自動採点のミニテスト活用

各ステップの最後に3〜4問程度の選択式テストを配置し、即座に採点結果と解説を返すことで、その場での納得感を高めます。

・視聴順序の制御

「テストで一定以上の得点を獲得したら次へ進める」という条件を組み込むことで、理解不足のまま放置されるのを防ぎます。

・学習データのヒートマップ分析

どのステップで受講者がつまづいているか、どの動画部分が何度も巻き戻されているか等のデータを分析し、カリキュラム自体の改善につなげます。

小刻みなアウトプットとデータに基づくフォローアップを繰り返すことで、受講者の満足度と完了率は大きく向上します。

よくある質問

Q. スモールステップにするとコンテンツの数が膨大になり、管理が大変になりませんか?

A. テーマごとに階層化(コース > 講義 > コンテンツ)して整理できるツールを活用することで、コンテンツ数が増えても管理の負担を抑えることができます。

Q. 動画の尺を短縮できない講義の場合はどうすればよいですか?

A. 長尺の動画であっても、途中にクイズやアンケート、リアクションボタンなどのアクティビティを差し込むことで、擬似的にステップを区切り、受講者の集中力を維持することが可能です。

Q. 受講生によって学習スピードが違う場合はどう対応すべきですか?

A. 前提条件を満たした受講生から順次次のコンテンツが解放される設定にすることで、個々の理解度に合わせた個別最適な学習ペースを実現できます。

まとめ

Schoo Swingの受講画面。講義動画や確認テストが細分化され進捗状況が確認できる受講者UI

スモールステップ原理を活用したカリキュラム設計は、受講者の挫折を防ぎ、確実な学びの定着を実現するための強力な手法です。大きな目標を小単位に分解し、即時アウトプットとデータ分析を組み合せることで、学習効果を最大化できます。

学習管理システムである「Schoo Swing」なら、動画やPDF、確認テストなどを組み合せた階層構造のカリキュラム作成や、視聴順序の柔軟な制御、受講データの詳細な可視化が可能であり、スモールステップ原理に基づいた効果的なオンライン学習環境をスムーズに構築できます。


株式会社Schooについて
「世の中から卒業をなくす」をミッションに、インターネットでの学びや教育を起点とした社会変革を進めている。大人たちがずっと学び続けるオンライン生放送学習コミュニティ『Schoo(スクー)』は2012年のサービス開始後、「未来に向けて、社会人が今学んでおくべきこと」をコンセプトとした生放送授業を毎日無料提供。過去の放送は録画授業として約8,500本公開中。法人向けには社員研修と自己啓発学習の両立を実現する『Schoo for Business』を提供し、学び続ける組織作りに貢献。登録会員数は約100万人、累計導入企業は4,000社を突破。
2014年から約50の大学・教育機関のDXを支援。2021年9月にデータ活用型LMS『Schoo Swing』を提供開始。現在は高等教育機関だけでなく、資格学校や研修事業者など、多様な教育現場へと導入を拡大している。
奄美大島と包括協定を行うなど、地方エリアへの遠隔教育普及によって実現する「未来の暮らし」の確立も進めている。
2024年10月22日、東証グロース市場へ上場。

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中澤怜士

Schoo Swing推進ユニット BizDev 教育DX担当

オンライン教育基盤の整備やLMS導入・リプレイスから、教育を新規事業として立ち上げたい学校・企業まで、要件整理から実行まで一貫して支援しています。

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