この記事の結論
受講者が最後までやりきれるLMSには、双方向のUI/UXと、運営が先回りしてフォローできる学習データの可視化機能が共通して備わっている。
オンライン研修やオンライン講座の担当者が直面する最大の課題の一つが「受講完了率の低さ」です。「配信してみたら、最後まで視聴したのは全体の30%だった」という話は珍しくありません。
その背景にある構造的な問題は、多くのLMSが「コンテンツ配信のインフラ」として設計されており、「学習者が継続する環境」として設計されていないことにあります。
動画を順番に並べてURLを送る——それだけでは、受講者は画面の前で一人です。わからないことが生じても聞く相手がなく、自分の進捗が他の受講者と比べてどうなのかもわからない。こうした孤独感が積み重なると、「また今度でいいか」という先送りが習慣化し、最終的にログインしなくなります。
また、運営側にも問題が潜んでいます。受講者が離脱し始めていても、管理画面で把握できなければフォローのしようがありません。「終わってから数字を確認したら、半分しか修了していなかった」という事後的な把握では、離脱を防ぐことはできません。
LMSの選定において「どのようなコンテンツを配信できるか」だけを見ていると、継続率の問題は解決しません。

受講者が「自分はこの学びの場の参加者だ」と感じられる設計が継続率に直結します。具体的には以下の機能が有効です。
コメント・質問機能:動画コンテンツに紐づいたコメント欄や質問送信機能があると、受講者は「疑問を解消する場所がある」という安心感を持つことができます。
ライブ配信・リアルタイムQ&A:週1回でも講師がリアルタイムで受講者と対話できる場を設けることで、「自分のことを気にかけてくれる人がいる」という実感が生まれます。
受講者コミュニティ機能:同じ目標を持つ仲間の存在が、継続の原動力になります。グループチャットや掲示板機能がLMSに統合されていると、研修管理の手間を増やさずにコミュニティを育てることができます。
「誰がどのコンテンツをどこまで視聴したか」「テストの正答率が低い講座はどこか」——このデータをリアルタイムで一元管理できる機能が、先手のフォローを可能にします。
具体的には、視聴進捗率・テスト結果・ログイン頻度・コンテンツごとの離脱ポイントを管理者が一覧で確認できることが理想です。「2週間ログインがない受講者に自動アラートを送る」などの機能があれば、運営コストを最小化しながら離脱を防止できます。
LMS選定時に見るべき機能を整理します。
機能 | チェックポイント |
|---|---|
受講進捗の可視化 | 管理者が一覧で確認できるか |
自動フォロー機能 | 未受講者に自動通知を送ることができるか |
コメント・質問機能 | コンテンツに紐づいた質問ができるか |
テスト・小テスト | 単元ごとに理解度が確認できるか |
機能 | 効果 |
|---|---|
双方向性を高めるライブ配信機能 | リアルタイム対話で孤独感を払拭 |
バッジ・修了証 | 達成感の可視化で継続率向上 |
モバイル対応 | スキマ時間の学習を後押し |
学習ログのエクスポート | 報告資料作成の効率化 |
「機能の数が多い=良いLMS」ではない。現場で使わない機能が多いと、管理の複雑さが増すだけです。
導入後のサポート体制を確認せずに選ぶと、「使いこなせない」という問題に直面します。
受講者視点のUI/UXを担当者だけで確認せずに決めると、受講者が使いにくいシステムになりがちです。必ず受講者側の画面を実際に触って確認しましょう。
Q. 無料・低コストのLMSでも離脱防止は実現できますか?
A.基本的な進捗管理機能があれば、ある程度は対応できます。ただし、自動フォロー機能やライブ配信統合などは有料プランにしかない場合が多く、継続率への投資対効果を考えると機能面での評価が重要です。
Q. 受講者数が少ない場合でも、LMSの管理機能は必要ですか?
A.むしろ少人数のうちに管理の習慣をつけておくことをおすすめします。数十人規模ならスプレッドシートで管理できてしまうため後回しになりがちですが、受講者数が増えてからシステムを変えると移行コストが大きくなります。
Q. LMSの乗り換えはどのくらい大変ですか?
A. コンテンツのエクスポート・インポートの互換性と、受講履歴データの移行可否が鍵です。乗り換えを想定しているなら、CSV形式などでのエクスポートに対応しているかを選定時に確認しておくと安心です。
Q. 受講完了率を高めるために、LMS選びで最も重要なポイントは何ですか?
A. 受講者が使いやすいこと、運営担当者が進捗を把握・フォローしやすいことに加え、導入後に活用方法まで相談できるサポート体制があるかを確認することが重要です。LMSは導入することが目的ではなく、継続的に活用して成果につなげることが目的です。運営ノウハウを持つカスタマーサクセスの伴走支援があるサービスであれば、受講完了率の改善にも取り組みやすくなります。
受講者が最後までやりきれるLMSを選ぶためには、「コンテンツ配信機能」だけでなく、「孤独感を防ぐ双方向設計」と「先手のフォローを可能にする学習データの可視化」という2つの軸で評価することが重要です。
Schoo Swingは、動画配信・ライブ配信・テスト・学習データ管理を一体型のプラットフォームで提供します。受講者の継続率向上に向けた機能設計と、運営側の管理効率化を同時に実現できる環境として、LMS選定の候補の一つとして検討してみてください。
株式会社Schooについて
「世の中から卒業をなくす」をミッションに、インターネットでの学びや教育を起点とした社会変革を進めている。大人たちがずっと学び続けるオンライン生放送学習コミュニティ『Schoo(スクー)』は2012年のサービス開始後、「未来に向けて、社会人が今学んでおくべきこと」をコンセプトとした生放送授業を毎日無料提供。過去の放送は録画授業として約8,500本公開中。法人向けには社員研修と自己啓発学習の両立を実現する『Schoo for Business』を提供し、学び続ける組織作りに貢献。登録会員数は約100万人、累計導入企業は4,000社を突破。
2014年から約50の大学・教育機関のDXを支援。2021年9月にデータ活用型LMS『Schoo Swing』を提供開始。現在は高等教育機関だけでなく、資格学校や研修事業者など、多様な教育現場へと導入を拡大している。
奄美大島と包括協定を行うなど、地方エリアへの遠隔教育普及によって実現する「未来の暮らし」の確立も進めている。
2024年10月22日、東証グロース市場へ上場。
中澤怜士
Schoo Swing推進ユニット BizDev 教育DX担当
オンライン教育基盤の整備やLMS導入・リプレイスから、教育を新規事業として立ち上げたい学校・企業まで、要件整理から実行まで一貫して支援しています。
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